春の石鯛釣り>>鹿児島 秋目→久志 ~ 置き竿ロッドコンセプトなど |
先週末2日間、フィールドスタッフの坂本さんの案内で、鹿児島県南さつま市の秋目と久志へ石鯛釣りに行ってきました。
まず12日(土曜日)は、秋目で瀬渡しを行っている 民宿がんじん荘 さんにお世話になったのですが、熊本の 高野釣具 さんの計らいもあって、A級ポイントの“ゼンダナ”へ上礁させて頂きました。
ゼンダナのポイントは本島とハナレに分かれているのですが、この日は4人での釣行だったため、ハナレに2人、本島に1人ずつの上礁という事になりました。
私は本島の真ん中よりのポイントへ一人で上礁です。
私の釣り座はこんな感じ
隣は同行者の荒木さん
南九州における春先からの石鯛釣りといえば、赤貝(サルゴ貝)エサの手持ち釣りで、乗っ込み前の大型狙いとなるのですが、アタリがほとんど無い状況はよくある事で、そんな中デカバンが来るのをひたすら信じて待つ釣りとなります。
仕掛けを投入した直後は落ちてきたエサに反応するためエサ取りも含め比較的アタリが出易いのですが、水温があまり高くないせいで、その後アタリがなくなるという事が良くあります。
そこで仕掛けを回収して手返しをしたくなるところですが、ここで我慢できるか出来ないかが、この時期の釣り方のポイントとなります。
仕掛けを回収するとエサが残っている事がほとんどなので、ひたすら仕掛けを動かさずに待ち続けることが、警戒心の強いデカバンを相手にするためには重要となります。
最初明らかなエサ取りのアタリであっても、じっと待っていれば本命のアタリがくる事もあります。
前アタリは、本命であってもエサ取りのように小さいため、全てのアタリを石鯛と信じる心構えが必要で、そこから一気に走るまでのインターバルもかなり長い場合があるので、とにかく忍耐と集中力で静かに釣り続ける。 そういった釣り方となります。
私の釣り座はリールのカウンター15~18mくらいで、頻繁に何かしらのアタリは有りました。そして時折、本命かな?というアタリもありましたが、明らかにという場面はないまま納竿時間は迫ってきました。
しかし14時頃に奇跡的に1.5kgクラスがヒット!
狙いのデカバンではありませんが、今日は釣果無し、と完全に諦めていただけにうれしい一枚となりました。
そのまま14時半頃に納竿となり、この日の釣果は4人でこの一枚のみでした。
それぞれに、惜しいアタリはあったようですが、時合は一瞬で、私の釣り座とは違い、ほとんどエサもとられない状況だったようです。
しかしこれが春の石鯛釣りの特徴と言えます。
この日はそのまま民宿がんじん荘さんで一泊。
新鮮な魚を中心とした、とてもおいしい料理を振舞って頂きました。
翌日は早朝から車で15分くらいの久志へと移動。
瀬渡し 松風 さんに、お世話になりました。
私は坂本さんと共に ”グンカン” へ上礁。
雨の中がんばりましたが、石鯛がヒットする事は有りませんでした。
この日の釣果ですが、
まず行動を共にしてきた荒木さんがイシガキ鯛をGET!
そして
この日合流した釣り仲間の緒方さんがやりました!
竿はPF石鯛スーパーロイヤル520GAZEスペシャル!
しかも
おめでとうございます。
船中で一枚出るか出ないかのこのデカバンを狙うのが春の石鯛釣りの魅力なのですが、先にも説明したようにアタリが全くない事もほとんどなので、本当に忍耐と集中力が必要な釣りとなります。
手持ちでじっと待ち続けるため、軽量でバランスの良い竿が扱い易くなってくるのですが、私はスーパーロイヤルシリーズの520GAZEスペシャルを好んで使用しています。
スーパーロイヤルシリーズには手持ち釣り専用の500手持ちスペシャルがありますが、置き竿コンセプトである520GAZEスペシャルの方が自分のスタイルには合っているため、手持ちの釣りでも520GAZEスペシャルを使用しています。
500手持ちスペシャルと520GAZEスペシャルの手持ち釣りでの違い
張りの強い先調子に仕上げたブランクは、自重表記以上の軽量感が有り、手返しなどにおける使用感、軽快感は、ダイコー石鯛竿の中で最も優れていると言えます。
特に、この春の釣りのように同じ態勢でじっと待つような場面や、風や波が強い悪条件下での使用において、その性能の高さはより発揮されます。
そして何といってもアワセがバシッと決まり、その衝撃や魚の締め込みが竿からダイレクトに伝わるところが、最も石鯛釣り師を魅了する要因の一つと考えています。
対して520GAZEスペシャルは、置き竿コンセプトの胴調子でありながら、バット部がシッカリと張っているため、手持ちで使用してもブレが少なく、520という長さが気にならないほど高バランスに仕上がっているのが特長です。
しかし操作性能だけで比較すれば、当然ながら手持ちスペシャルにはかないません。
例えば手持ちスペシャルでは簡単に外せる根がかりも、竿で外せなくなったりしますので、手返しでも遅れを取る事となります。
GAZEスペシャルで手持ちをする場合のメリットは、アタリがあってからの「おくり」にあると言えます。
なかなか走らない魚に対しては、より違和感を与えないスムーズな「おくり」が必要となりますが、自然が相手の釣りのためいつも万全の状況で「おくり」が出来る訳ではありません。
アタリの最中に急な風や波を受けて竿先が動くことがあれば、アタリについて行くうちに、次第に窮屈な態勢となって、不自然な「おくり」になる事もあります。また不意に強い抑え込みが来たときには、竿先がついて行けない場合もあります。
そんな時にGAZEスペシャルであれば、しなやかな穂先と穂持ちが追従するため、石鯛の抑え込みを弾かず、違和感のない「おくり」を手助けしてくれます。
私の場合は操作性よりも、この「おくり」のメリットを取る方が自分のスタイルに合っているため、520GAZEスペシャルを手持ちの釣りでも使用しています。
竿の調子の好みはそれぞれの釣りスタイルによって分かれますので、自分のフィーリングに合う竿を使用し、より快適に、そして釣りに集中出来るという事が最も重要な事だと思います。
GAZEシリーズと靱530シナリのコンセプトの違い。
動画配信の影響もあって良く聞かれるのですが、
まずGAZEシリーズは、穂先、穂持ちはしなやかで、元上~元竿にかけてしっかりとした張りのある、メリハリの利いた胴調子 がコンセプトとなります。
置き竿における食込み性を最も重視していますが、元竿をしっかり張る事で、竿ブレの無い高い使用感と、ファイトにおいてデカバンの走りを受け止める事ができ、尚且つ、リフティング力にも優れた竿に仕上げています。
食い込性能の高さのみならず、操作性、機動性も考慮されているところが特長で、手返しの良い釣りのための、“攻めの置き竿釣り専用モデル” と位置付けしています。
対してシナリは、どうしても価格面による使用カーボン材の制約がありますので、逆にそれを活かす形で、全体でしなやかに曲がる竿をコンセプトとしています。
調子について、GAZEは先側がしなやかで元側がしっかりと止まるメリハリが利いた胴調子と説明しましたが、シナリはこの“ハリ”の部分に粘りが有るといったイメージです。
靱のシリーズの中でも、高バランスでスムーズな曲がりに仕上がる“並継”の特長が最も活かされているのがこのシナリであり、置き竿における食込み性能はGAZEシリーズに引けをとらない非常に優れた竿と言えますが、やはり魚を釣るためには様々な動作が必要なので、食い込性能以外の使用感、軽量感に“価格の差”というものが表れていると言えます。
特に手持ちで使用する場合、この差は顕著になります。
ただコンセプト自体が全く違う竿なので、これも“好み”として分かるところかもしれません。
ちなみに上記の差は海王シリーズのガゼとスーパーロイヤルシリーズのガゼにおいても同じ事が言えます。52どうしで比較した場合、使用感は圧倒的にスーパーロイヤルの方が優れていると言えます。
本質的な部分の差が埋まる事はありませんが、海王500L-GAZEであれば、スーパーロイヤルシリーズの520ガゼスペシャルのフィーリングに近くなります。
しかしこの20cmの違いによる振り幅の差は、手持ちでの「おくり」においても、置き竿での食込み性においても大きな差となってきます。