New TRIBAL‘Executor’ |
さて、今回ご紹介するのは、
エギグランド‐トライバルの亜種とでも言うべきニューモデルです。
幅広いラインナップ、そして、確かな実釣力で
ご好評を頂いておりますエギグランド‐トライバルが
さらなる進化を遂げて、この秋新登場します。
TRIBAL-Executor
(トライバル・エグゼキューター)。
一瞥して、グリップ周りのデザインの変更にも目を奪われがちですが、
本質はブランクスを一新(*1)。
このトライバル-エグゼキューターは、
エギングゲームの中で繰り返される緩急一連の動作を考慮し、
バランスセッティング(*2)及びガイドセッティング(*3)を変更した上で、
さらなる使用感の向上と振り切り感のよさを追求しました。
さらに上位機種エスカペードにも採用のイーズ・ライトコンセプト(◎)、
ELモデルを新たにラインナップしました。
十分な飛距離を確保し、軽い力でもラクにアクションすることができます。
一見、頼りないほど細身に締め上げられたブランクスに、
ウチならではのパワーを有する異色のテーパーデザインを施しました。
特徴はティップ~ベリーセクションが大きくたわみつつ、
その反発力をしっかり保つことができるという
高弾性素材の特性をしっかり活かしていること。
もちろん大型のイカにエギを横向きに抱かれてもしっかりフックセットでき、
ファイト時には強烈なジェット噴射を柔軟に受け止める
粘り強さを発揮するバットパワーを持たせました。
写真はプロトモデルでの釣果。
アングラーはT田さん★
また、本エグゼキューター・シリーズも
現行トライバルシリーズ同様、
それぞれのアングラーのスタイル、
ご予算に応じてお選びいただけるよう、
チタンガイドモデル、ステンレスガイドモデルをラインナップしております。
(チタンガイドモデルはレッドメタリックのデコレーションスレッド。
ステンレスガイドモデルはガンメタリックのデコレーションスレッドを
施してあります。)
*1(**1)
全モデル一貫して高弾性カーボンプリプレグを採用しております。
このトライバル・エグゼキューターでは使用カーボンの90%以上を
高弾性素材で占めております。
コレは細身軽量のブランクスの構築、
かつ素材特性による高反発力でキャスタビリティが向上、
さらに収束の早さ(ブレの少なさ)による高い操作性の発揮に
繋がります。
*2
もともと表記上の自重数値よりも、使用時における軽量感を
追求したのが従来トライバルシリーズでしたが、
モデルにより、従来トライバルシリーズと比較しても、
張りと粘り強さを両立した上で剛性感を損なうことなく、
最大40g前後の軽量化(平均30g前後)を果たしました。
*3
LDBガイドの特性をさらに活かすために、
ラインがティップに巻いても絡みにくい装着位置を再検証し、
ティップセクションのガイド位置に微調整を施しました。
さらにバットガイドにはFuji/LCSG-16Mを装着しております。
本質的な機能には直接寄与しませんが、
ti.:チタニウムガイドモデルのバットガイドには
TITANIUMの文字が・・・なんか擽りませんか?私だけ?
◎
ELモデルは特殊なパワー構成のため、
エギのウェイトをしっかりロッドに乗せてキャストしていただくよう
ご留意いただきたいと思います。
ロッドはEGTX-88ELのプロトモデル。
接合部はフェラライトフェルール(逆並継ぎ)。
しっかりとした強度保持を施してあるので、
特に補強のために異素材のプライアップはしておりません。
リールシートはFuji/IPS16+K-DPSという構成。
アップロック方式で稼動フード部は1Kグラファイトパイプを用い、
フラットな面を多くすることで握りこみやすいものとしております。
また、フォアグリップは細身・長めのシェイプをかけたことで、
多様なグリップスタイルに対応します。
細かいところですが、シート内部はアルミ製の
防水封印型パイプコネクターを装備。
個々のモデルのスペック・キャラクターについては下記をご参照ください。
Model:EGTX-82、EGTX-82ti.
Length:8'2''
適合エギサイズ(号):2.5-4
Line(PE):0.6-1.5
Action:Fast
Price:¥29,500、¥35,000(ti.)
現行トライバル・EGTS-83(ti.)と比較すると、ベリー~バットセクションのパワーと張りを向上させたことで、3.5号クラスのエギの飛距離と、よりダイレクトな操作性を発揮します。多彩なスタイルのアクションにも、素直に反応するクセのなさにより磨きをかけました。シリーズ中、最も取り回しの良さを発揮するオールラウンダーです。
Model:EGTX-87、EGTX-87ti.
Length:8'7''
適合エギサイズ(号):2.5-4
Line(PE):0.6-1.5
Action:Fast
Price:¥30,000、¥36,000(ti.)
足場の高い防波堤や、ロングキャストが必要となるシチュエーションで活躍するロングモデルですが、そのレングスによって失われがちな操作性と、一日中、快適に使い続けられる軽量感を、テーパーデザインとトータルバランスの二面において追求しました。現行トライバルシリーズの近似モデルEGTS-88(ti.)に比べ、大幅なロッド自重の軽量化を果たしましたが、それでもなお、パワーと剛性感をアップさせ、多様なシチュエーションとアプローチに対応するようまとめあげました。
Model:EGTX-83EL、EGTX-83EL.ti.
Length:8'3''
適合エギサイズ(号):2-3.5
Line(PE):#0.5-1
Action:Regular
Price:¥29,500、¥35,000(ti.)
感度を損なわない繊細な張りをもたせたまま、ティップ~ベリーセクションは大きくベンドするという、独自のテーパーデザインを施しました。シャローからミッドレンジにおいて、小型~中型のエギを誰でも効果的にアクションさせることができることをコンセプトに開発したのがこのモデル。産卵期のナーバスな大型イカに対しても、エギの移動距離を抑えつつ、クイック&スローなアプローチを可能にします。
Model:EGTX-88EL、EGTX-88EL.ti.
Length:8'8''
適合エギサイズ(号):2-3.5
Line(PE):#0.5-1
Action:Regular
Price:¥30,000、¥36,000(ti.)
モデル開発において求めたのは単純なソフトティップ・ハードバットという構成ではなく、ティップ~ベリーセクションを大きくベンドさせ、オートマチックに効果的なアクションを生み出すテーパーデザインです。急流域や極端なディープレンジの使用にはあまり向かないですが、長尺・軟調、でも張りはあるという特性を持たせ、ミッドレンジまでにおける操作性と感度を活かしたアプローチにオススメなのがコチラです。
*価格は本体価格(税抜き)となります。
*モデルコード末尾にti.表記のあるものがチタンガイドモデルとなります。
**1
余談ですが、ロッドの製造業において、
基本的にはブランクスを構成するカーボンに対して
割合表記に関する規格というものが無いので、
(何トンが何%というものですね)
少しでも高弾性素材を含んでいれば高弾性のブランクスです、
と謳うことができる(できちゃう?)のですが、
実際、このへんは個々のメーカーさんのスタンスによりけりです。
例えるなら、24(t)トンが9割、35(t)トンが1割でも
‘高弾性ロッドです!’
と、言えてしまうワケです。
もちろん、弊社ではブランクスが命である以上、
死んでもそんなことは言いませんが。
(ちなみにボロンについては‘ボロンロッド’と表記するには
○%以上の含有率、という規定がありましたが、近年廃止されました。)
またまたさらに余談ですが、
皆さんもよく耳にされる・気になる
‘弾性率’(○トンカーボンていうアレです)についてですが、
このへんについても何トンが低弾性で、
何トンからが中弾性、何トン以上が高弾性という表記に関する
厳密な規格は存在していないのですが、
弊社では35(t)以上からを高弾性としております。
ちなみにおおよそ24(t)、26(t)、30(t)が中弾性、
35(t)、40(t)が高弾性、それ以上が超高弾性、
16(t)が低弾性としております。
カタログなどの表記については、それぞれの特性を端的に表した
モノとしております。
また、19(t)てないの?とか31(t)てないの?と
思われる方もおられるかも知れませんが、
おおよそ上記したようなところが
プリプレグ(カーボンシート)供給メーカーさんの
一般的な製造規格となっています。
誤解のないようお伝えしておきたいのは、
高弾性だからイイ、ということではナイ、ということです。
ココをご覧になられる方には言わずもがな?ですが・・・。
素材原価としては、一般的に高弾性のものが高価とされておりますが、
一概にそうでないものもあり、
目的・用途に応じて素材を吟味・選定し、
その特性をきちんと引き出してあげることが肝要だと考えております。
さらに一つの道具(ロッド)としてきちんと成り立たないと
素材のよさやその特性も伝わらないという思いのもと
日々ロッドメイキングに勤しんでおります。
脱線ついでにもう一つお話させていただきますと、
ロッドのパワーやテーパーデザイン(もしくはアクション)についても
何kgがリフト出来るからM(ミディアム)パワーとか、
コレだけティップが入るからファーストという取り決め自体が
存在していません。
もちろん弊社では50有余年というデータの蓄積から
社内規格を取り決めてあることはもちろんなのですが、
最近では他社さんの同じレングス、スペック表記のロッドと
比較するとやや柔らかいものが多く見受けられるようになってきましたので、
冒頭の素材の表現やスペック表記について、
弊社製品においても表記上の文言はあくまでご参考程度に、
実際にお手にとって直に感じてもらうのが、
より良いロッド選びの近道だと思います。