13’S/S Models 序 その3 |
今回、ご紹介するのは、ソルトウォーターゲームロッドの新シリーズ2カテゴリー、
‘青物をターゲットとするショアジギング&プラッギングシリーズ’と、
‘シーバスからヒラスズキ、海アメなど、幅広いターゲットに対応する
スタンダード・インショアキャスティングシリーズ’です。
マネジメントの関係上、価格帯についてはまだオープンには出来ないのですが、
概要について、触れていってみたいと思います。
まずは、‘青物をターゲットとするショアジギング&プラッギングシリーズ’から・・・
‘JERK KNIGHT’ ジャークナイトと読みます。
1mmも捻りのない、直球ど真ん中のネーミングですが、そのネーミング同様、
ストレートにこの釣りにおけるパフォーマンスの質を問うたシリーズとなります。
爽快なキャストフィールと積極的なロッドワークによる多彩なジャーキングで、
ジグやプラグに生命感を与えます。
ブリ・ヒラマサ・カンパチをはじめ、サワラやシイラなど、海原を疾駆するスプリンターたちとの
スリリングかつパワフルなやり取りを磯で、湾岸で、思い切り楽しむための、
超実戦的ショアジギング&プラッギングシリーズです。
ブランクは中高弾性から高弾性素材をメインマテリアルに、高負荷時に機能する粘り強さをしっかりと備えているのは、もはや言うまでもありませんが、
さらに当該シリーズでは、今風に言い表すならば‘コアパワーシールド’とでも呼ぶべき、
最内装にバット~ティップセクションまで、死角のない補強が可能な素材、製法で形成された新しいブランクを製作しました。
見た目に分かりやすい、流行の素材感や‘らしい名称’などはつけませんが、
芯に力のあるブランク剛性を、実感できる機能として追求しました。
余談ですが、最近、特にブランク特性に関する記載で見受けられる座屈強度(ねじれやつぶれに対する耐性、復元力)について、弊社に限らず、各社多種多様な素材や製法を以って、ブランク開発に臨んでいるのは、みなさんご存知の通りです。
いずれも‘縦’‘横’‘斜め’など、多方向へ繊維指向を渡らせることによることで、負荷に対する耐性を向上させるというものがその考え方の本質となります。人気の4軸組布などは、特に見た目にもそうした構造をイメージさせやすいものと言えます。
ですが、この‘ねじれやつぶれ’に対する耐性を単純に上げてしてしまう(=抑え込んでしまう)ことは、実は思わぬブランクの暴れを生んでしまうことに繋がり得ることもあるのです。
これは、ゴルフの世界で使われる‘表示トルク’に繋がるお話となりますが、ゴルフクラブにおいてトルクといえば、ご存知の方も多いと思いますが、シャフト(ブランク)のねじれる度合いを表す数値を示します。この数値が小さいほどねじれにくく、大きくなるほどねじれが大きいというものです。
一般的に釣り竿の世界において、カタログや雑誌で見受けられる‘トルク/粘り強さ’を表す言葉とは、その意味を異にする概念なのですが、ゴルフクラブにおけるこの数値の大小が表す特性とは、ねじれが小さいほど、シャフトの曲がりに敏感に反応し、硬く感じる要素にもなり得るものであり、逆に、ねじれが大きいほど、シャフトの曲がりに対してヘッドの動きが穏やかになるため、スイングが安定していない場合には、ヘッドの過度な動きを緩和する効果もあります。あくまで、上記はゴルフクラブにおけるお話なので、一概に釣り竿に凡て当てはまるものではないことはご理解いただけると思いますが、ゴルフシャフトより、テーパーが大きく、はるかに曲げて使うことが前提となるカーボンブランクの釣り竿において、曲がりに付随する適度なねじれ、つぶれをいたずらに抑え込んでしまうことは目に見えない感性領域にいたるしなり戻りや、限界値における折損要因に影響を与えることもありえるのです。
ちなみに‘硬さ’を感じる部分には縦方向の繊維の用い方が大きく影響し、45°角で用いられることの多い
補強は、上手に活用することで、ねじれによるブランクのパワーロスを軽減し、剛性感(・・・という表現で伝わるでしょうか?)が増す印象得られることと思います。余談ですが、このねじれに対する剛性については、斜めにあてがわれる繊維の密度の高低については、見た目ほど大きく影響しないことが多いようです。少し脱線しましたが、‘過ぎたるは及ばざるが如し’で、単純に製法の名称や表記上の数値では割り切ることの出来ない、感性性能の領域に及ぶ世界の究明に努め、ベーシックかつ高品質。使いやすいタフなブランクであるという、本当に必要なことを究めたブランに仕上げました。
嵌合部(かんごうぶ:ジョイント部)は最も実用的かつ設計・加工の自由度の高いフェラライトフェルール(逆並継)、緩みにくく、吸い付くような着脱感を示します。
コンポーネンツについては、実績と信頼のFuji/DPS&TCSをロッドパワーに応じた、
使用想定リールを考慮して装着。
(概ね、D社なら3500/4500、S社なら6000/8000を境として、DPS18と20を選定しました)
‘TCS?・・・!’と思われた方も多からずいらっしゃると思います。
ハイ、初代プレミアシリーズ以来のラインナップとなるハードスペックの
ベイトキャスティングモデルがございます。
fimoブログの方ではチラッとお見せしたりもしていたのですが、
D社さんから頃合?のリールもリリースされるようですね・・・★
ガイドはFuji/Kガイドシリーズ・Eカラーフレームモデルを採用。
全機種、全箇所、ダブルラッピングにて装着。
いくつかのハードスペックモデルでは、
バットガイド及び、#1(穂先)の元ガイドにスーパーオーシャンガイドEMNSGを採用しました。
これらのガイドについては、リーダーシステムへの干渉、擦過を裂けるため、逆付けで装着しています。
写真は上段より、ベイトキャスティングモデル、スピニングMHクラス、スピニングHクラスモデルのバットガイドとなっております。
ラインナップは下記の10機種となっております。
概ね、M/MHクラスは、ジグなら45g~80g/プラグなら60gくらいまでをメインに、
湾岸エリアでのライトショアジギングから磯場での、イナダ(ツバス)~5kgクラスのワラサ(メジロ)などをまでメインターゲットに、サゴシやシイラまで、幅広く対応することができます。
H、XHクラスは、主に急流域でヘビーウェイトのジグが必要なシチュエーションや、
ヒラマサやカンパチなど、強引なやり取りが余儀なくされるアプローチに向けて最適な仕様となっています。
また、レングスについては、ターゲットやシチュエーションによって、一概にはいえませんが、
概ね、ジグ/プラグの使用頻度に応じて、ジグ>プラグなら9~10フィートモデル、
ジグ<プラグなら10~11フィートモデルをお選びいただくのが良いでしょう。
S1002M
サーフや防波堤など、オープンウォーターの大場所で、40g前後のジグやヘビーウェイトミノーを思いっきりカッ飛ばせるライトショアジギングゲームの基軸モデルです。‘シャープなキャストフィール’と‘シャクりやすいしなやかさ’のバランスを追求しました。
波止場からのライトショアジギングなどのオススメはコチラ。
シーバスロッドとは‘強さ’の質を異にする‘ショアジギングモデル’然とした仕上がりですが、
45g前後のジグはもちろん、1oz.クラスのシンキングペンシルまで、
極めて軽快、繊細に扱うことが可能です。
S962MH
弾むような反発力を備えたリフティングパワーとしっかりしたバットセクションで、40g前後のジグから最大80gクラスのジグを軽快な取り回しでビシバシ動かせるシャープなブランクが特徴。ビッグプラグを用いた大型魚へのアプローチにも対応する剛性感の高さも魅力です。
S1002MH
80g前後のジグや、60gクラスのトップウォータープラグなど、小~中型青物へのあらゆるアプローチに一本で幅広く対応できるスタンダードモデルです。3~5㎏クラスのワラサ(メジロ)などをメインターゲットに、最適なパフォーマンスを発揮します。
S1102MH
足場の高い防波堤や、波足の高いサーフから磯場での小~中型青物をメインターゲットに、ヒラスズキへのアプローチにも使えるロングレングスモデルです。特にショートジグでのジャカジャカ巻きや、プラッギングなど、適度なしなやかさが求められるゲーム展開に最適です。
S962H
しなやかさとムチムチとした弾性を備えたハイパワーブランクで、ブリやヒラマサ、カンパチなどをターゲットに、強引なやり取りを可能にします。60~120gクラスの幅広いジグウェイトに対応し、ロングジグを用いた足の長いスライドアクションも容易にこなします。
S1002H
磯場での使用や、5㎏前後の青物にも真っ向勝負を挑むことができる、軽快なハイパワーブランクが特徴。80~100gのジグを中心に、75g前後のダイビングペンシルまで軽快に扱うことのできる汎用性を備えた、青物狙いのハイスタンダードモデルです。
S1102H
遠投性能に優れ、60~100gクラスのジグから、レングスとストロークを活かして、ダイビングペンシルやポッパーなど、プラッギングでのアプローチにも最適なモデルです。タメの効かせやすいロッドアクションとなっていますので、不意の大物にも余裕をもって対応可能です。
S1303H
足場に制約のあるフィールドや、荒天時、一歩引いたアプローチにも、足元までプラグを引ききることができるアドバンテージのみ追求した3ピース/13フィートレングス仕様。潔く汎用性を除いた超局地専用、超ロングレングスのスペシャルモデルです。
個人的に、当該シリーズでお気に入りの一つがこのモデル。
多くの方にとって、メインロッドにはなりえないかもしれませんが、足場の高いフィールドや、足元でのあと1ストロークが引ききれるかどうか、というところで勝負が分かれるシチュエーションや、13フィートという物理的な‘リーチ’というアドバンテージは、瀬際での攻防や、タメの利くリフティングパワーなど、悔しい思いをされたことのある方には想像も容易なことと思います。
S1002XH
軽快な使用感と高強度なブランク特性を実現、大型青物をヘビーウェイトのジグやビッグプラグで狙うためのハイパワーモデルです。ガチムチなブランク特性は、ターゲットに対してハイドラグでの積極的なランニングコントロールも可能にします。
C1002H
ジグやプラグにこれまでにはない操作性―青物をベイトタックルで狙うためのベイトキャスティングモデル。ロングリーダーの使用や、ハイドラグでのやり取りなど、意図に適うパフォーマンスを実現します。スピニングタックルとは趣を異にするアドバンテージが魅力です。
そして、
‘シーバスからヒラスズキ、海アメなど、幅広いターゲットに対応する
スタンダード・インショアキャスティングシリーズ’となるのが、
‘FURIOUS’ フューリアスと読みます。
8'6''~13フィート、ライト~ヘビーパワーモデルまでの全15機種のラインナップです。
港湾部、河川、サーフに磯と、多彩なフィールドに向けて、
アングラーのニーズを基にモデルラインナップを細分化しつつも、
ターゲットへのアプローチに応じた汎用性を共棲させました。
シーバスをメインターゲットに、メッキやチヌから、
ヒラスズキ、青物までをカバーする多彩なラインナップを網羅。
海を読み、魚を知り、攻めの釣りを展開するためのスタンダード・インショアキャスティングカテゴリーのNewモデルが‘フューリアス’シリーズです。
ブランクについては、先のジャークナイト同様、中高弾性から高弾性素材をメインマテリアルに、高負荷時に機能する粘り強さをしっかりと備え、最内装にバット~ティップセクションまで、死角のない補強が可能な素材、製法で形成された新しいブランクを用途・目的に応じて新規製作。
ガイドコンポーネンツについては、全機種Fuji/Kシリーズガイド・Eカラーフレームを採用。
パワー、アクションに応じ、KLSG/KLSG-H/KWSGと最適な形状・個数を選択。
特に新しいブランクに合わせ、新規のガイドセッティングを施し、
個々のガイドについても吟味と実釣検証を重ねました。
しっかりとリールをホールドし、確かなグリッピング性能を誇る、信頼と実績の富士工業社製・Fuji/VSS&DPSシートを採用。アップロック方式にて装着。
モデルラインナップは下記の通りです。
S862L
漁港などの小場所や小規模河川などで、シーバス、カマス、メッキやロックフィッシュなどあらゆるターゲットの攻略を楽しむための、ライトゲーム全般をカバーします。7~9cmクラスのミノーやワーミングから、10gクラスのメタルジグなど幅広いアプローチに対応します。
S932L
7~9cmクラスのミノーやワーミングから、10gクラスのメタルジグなど小型・軽量ルアーの遠投性能に高いパフォーマンスを発揮。シーバス、カマス、メッキやロックフィッシュなどあらゆるターゲットの攻略を楽しむための、ライトゲーム全般に幅広く対応します。
S862ML
リップレスミノー~バイブレーションプラグなど、河川や港湾での定番ルアーに幅広く対応する、‘迷ったら、コレ’な鉄板モデル。バイトを弾かないしなやかさが特徴で、ワインドなど積極的なロッドワークが求められる釣りや、速巻きでのリアクションバイト狙いに。
S962ML
あらゆるシチュエーションで活躍するシーバスゲームのスタンダードモデルです。強すぎる張りを抑えているので、バイトに対する追従性の高さは折り紙付き。幅広いウェイトのミノーやバイブレーションプラグに的確なパフォーマンスで応える汎用性の高さが魅力の一本です。
S1062ML
12~14㎝前後のミドルクラスのプラグをメインユースに、幅広いウェイトのルアーの遠投性能に長けた軽量のロングレングスモデルです。シーバス、ヒラメやコチ、小型の青物までをターゲットとして、サーフや磯場、大河川の河口部などの大場所で活躍します。
S882M
ウェーディングゲームでのダイナミックなやり取りを楽しみたいならこのモデル。早潮のエリアや、カレントの強い河川でのゲーム展開で活躍する、取り回しと操作性を重視したミディアムパワーモデルです。メタルバイブやブレードベイトなどボトムコンタクト系の釣りにも最適。
S962M
操作性と優れた感度に加え、しっかりとバイトに追従するノリの良さも兼備。ブレードベイトやメタルバイブなど、デイゲームでのアプローチに活躍するネオスタンダードモデルです。基本性能の高さはあらゆるシチュエーションにおける高い汎用性も発揮します。
S1002M
シーバスをはじめ、青物、ヒラメ、海のトラウトなど、幅広いターゲットに、遠投性能を活かしたプラグやジグでのアプローチはもちろん、レングスによるストロークを活かした‘レンジを釣る’ブレードベイトでのアプローチなど、多彩なルアー/アプローチに対応可能です。
S1102M
軽いスイングで、飛距離を稼ぐことのできるロングレングスモデルです。磯場でのシーバスやヒラスズキをはじめとする、足場に制約があるポイントでのやりとりや、サーフでのミノーイング、ジグミノーでのヒラメや海アメ狙いなど、大場所で広範囲を探る釣りに最適です。
S962MH
ランカー狙い、あるいはタフなフィールドでの積極的なアプローチに照準を合わせた、ハイパワーかつ操作性に優れたモデルです。優れた感度伝達性能と、抜群のフッキングレスポンスを備え、あらゆるシチュエーションにも真っ向勝負に持ち込める強靭なブランク特性を備えています。
S1002MH
遠投性能を活かした大場所でのアプローチや、ターゲットに対して、タイトなランニングコントロールが要求されるシチュエーションで活躍するハイパワーモデルです。プラグ類の操作性はもちろん、軽量ジグを用いたライトショアジギングロッドとして、小型回遊魚にも対応。
S1102MH
幅広いルアーへの対応力/飛距離/ランディングに優位な11’フィートというリーチを活かすため、軽快な取り回しで応えるハイパワーモデルです。ヒラスズキをメインターゲットとして要求される基本性能を高次元で備えています。
S1303MH
圧倒的な飛距離と、足元までルアーを引ききれる、超ロングレングスならではの物理的アドバンテージをもたらすスペシャルモデルです。スッと入る繊細なティップセクションから立ち上がる強靭さを備えたベリー~バットセクション。ヒラスズキから青物、北海の野生まで対応します。
S1002H
メインターゲットはヒラスズキ~中型青物。向い風を切り裂く、シャープかつハイパワーブランクが特徴のエクストリームプラッギングモデルです。軽快な取り回しで、強風下でも特別な体躯を必要としない、操作性とキャスタビリティを発揮します。
S1102H
張り、硬さ、軽さのバランスを追求して纏め上げた、珠玉のハードスペックモデルです。長さを感じさせない超高感度特性と、空を切るようなキャストフィールを実現。シリーズ最強、フューリアスシリーズを代表する新鋭の機軸モデルです。
上記の2シリーズは、来春以降の発売を目処に、現在、最終調整中です。
是非、ご期待くださいませ。